「かきくけころりん」
<園での子どもとの生活。保育を通じて感じたこと、抱いた疑問。
子どもが何を感じて、どう育っていきたいのか、そんな事を少しずつ考えて行きたいと思います>
ある子は、手に持っていた物をぽーん、と投げることがよくあります。
もの、と言っても様々で、おもちゃだったり、大人が使うものだったり、たべ・もの、だったり。
「物を大切にしましょう」
という想いは、大人にはすでに、子どもから大人へと育っていく中で、しっかりと身についていますよね
ですので、そういった子どもの行為に対して、否定的な感情を抱く事も多いかと思います。
「投げちゃだめだよ」「大切にしないとだめ」
特に食べ物に関しては、食べ物を投げたりしたら「いけません」という言葉がつい口を出ちゃいますよね。
大人は、一般にそういった行為をやめてほしいんですよね。
大人自身も見ていてつらいですし。子どもがしているんですけども、自分が(大人が)してはいけないことをしてしまっている。そんな気持ちになる事もあるのではないでしょうか。
そしてなによりは、子どものためを思って、常識やマナーを身につけてほしい。
して良いことと、いけない事を学んでほしい、という思いがあると思います。
もちろん、それは大事なことですよね。
もし大人になって、レストランで料理を放り投げていたらそりゃ大変なことです。
職場で、使わなくなった物をそこらに放り投げて誰かに処理してもらっていたら、なかなかですよね。
もしかしたら一握りの方はいらっしゃるかもしれませんが。
(超多忙で身辺の整理等は誰かにしてもらったりする必要がある社長さんですとか)
ですが、ここは保育の場ですので、子どもの立場や気持ちになって考えてみたいと思います。
つい先日、ある子が手に封筒をもっていました。
保護者が僕に渡そうとしたのですが、その子が代わりに受け取ってくれた封筒です。
気に入ったようで、Aちゃんは封筒を持って園庭を歩きまわっていました。
それからしばらくして、園庭に転がってるボールを見つけたので、Aちゃんの方にボールを蹴ってパスしてみました。するとAちゃんは持っていた封筒をぽーん!と横に放り投げて、喜んでこちらにボールを蹴り返し、サッカーが始まりました。
さっきまで、あれだけ大切そうに持っていたものを、ぽーん、と放り投げる。
その行為に、僕はなにか清々しさを感じました。
”投げる”という行為には、”こちらにあるものをあちらに届けさす”とか、”手放す。自分から離れていく”という意味が伴いますよね。
ここでのAちゃんの場合、”ほうり投げる”といった感じでしたから、後者の”手放す。自分から離れていく”といった意味合いが強いように感じました。
そうすると、とっても弾みがつくんですね。
物を置く、とか、ただ手放す、というよりも、放り投げたほうが、スッキリ!
さっきまでここにあった”もの”に、こだわらなくて良い。
すると、次に進むぞ!
新しいものに取り組むぞ〜!!
みたいな勢いがつきやすい。次に集中できる!
切り替えスイッチみたいな効果もありそうですね。
両手に荷物を一杯持っていたら、目の前に掴みたいものがあっても、掴めないですよね。
捨てることで、勢いよく手放すことで、次に向かうことができる。新しいものや、体験を得ることができる。
そんなAちゃんの想いが、”ほうり投げる”という行為には秘められているのではないかと感じました。
自分を次に楽しく向かわせるために、”ほうり投げる”。
それは、Aちゃんにとって必要なアクションなんじゃないかな?
と思った出来事でした。
大人でも、部屋を片付けたり、いらないものを整理して捨てたり。
そんなことをすると、気持ちがスッキリしますよね。
それをAちゃんは、日々小さなことから実践しているのかな?
あれ、これはもしかしてAちゃんにとっての断捨離?
そんな風に考えると、ますます子どもの行動が意味を持って見えてくる気がしませんか?
子どもの行動を、ちょっと一呼吸おいて、観察してみる。
わからないからこそ、考えていく。
もしかして、こういうこと?こうかな?
そして、自分なりの解答を持って保育にあたってみる。
違ったら考えて、修正して、またトライ!
そんなことの繰り返しですね。
答えのない問いを、子どもはいつも投げかけてくれている。
子どもと過ごす人は、ある意味いつもなぞなぞを出されている状態ですね。
お母さんお父さん、皆さんいつもお疲れさまです!
食べ物を投げるわけ、については、只今考え中ですので(笑)
少しずつ、考えていきたいと思います。
ではでは、今日はこんな所で(^o^)
ご愛読ありがとうございました〜m(_ _)m
げんき